起業失敗談

どうすれば、社長の独断を社員が理解してくれるか?

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こんにちは。「崖っぷち社長」こと殿木達郎です。
今日は自分の想いが社員たちに通じなかった話です。
会社に新しいビジョンを示して 新規事業として将来のビジネスを構築するのも社長の大切な仕事。ただし、それには実業を守ってくれている社員の理解が欠かせません。
どうしたら社員の理解を得られるのか、新規事業のエピソードを書籍から抜粋しました。

憧れの海外進出を宣言したが!

仕事をしていると面白いもので、思わぬきっかけから、思いもよらない仕事に発展することがあります。WEBマガジンの『スタジオボイスオンライン』の仕事で、札幌で開催された国際短編映画祭を取材したのがきっかけで、カリフォルニアで開催される短編映画祭の視察にも誘われたのです。

元ヘヴィメタミュージシャンにとって、アメリカの西海岸は英国ロンドンと並ぶロッカーの聖地なので、二つ返事で参加しました。類は友を呼ぶのでしょうか? 視察ツアーに一人、ヘヴィメタロッカーの匂いをぷんぷんさせているロン毛のお兄ちゃんがいました。彼はクニヤというギタリスト。たちまち意気投合し、一緒にバンドを組みたいなあという話で盛り上がったのです。

僕はクニヤに「自分のバンドの楽曲をネット配信したいという不純な動機で、神輿に担がれ起業した」という話をすると、クニヤは「今からでも遅くない、バンドやろうよ!」と言うので、僕の中に眠っていたロック魂は、勢い甦ったのです。カリフォルニアの青い空の下、穏やかな風を胸いっぱいに吸った僕は、狭い東京を飛び出して、本気で海外で活動がしたくなりました。諦めていた自らの音楽活動に再び火を灯し、「夢をもう一度!」と。

それには英語が堪能なスタッフが必要だと思い、帰国すると早速、求人誌に語学堪能なスタッフを募集したのです。すると、すぐにエリカというイタリア人女性が応募してきました。早速面接しましたが、きれいな日本語を話し、イタリア語、英語に加えフランス語、スペイン語、ポルトガル語も堪能というすごい才媛。今日からでも仕事をしてもらいたいと思いました。できるだけ早く、海外事業部を発足させなければ!

とはいえ、すぐに実行するわけにはいかなかったのです。具体的なビジョンがなかったからです。まさか、「俺、もう一度バンドやって海外でデビューするから」なんて言えません。きっと社員は「はあ? 社長、頭おかしくなったんじゃないの?」と言うでしょう。だいいち、日本ですら売れないミュージシャンが世界の音楽市場を席捲するなんてあり得ないことで、夢のまた夢でしたから……

でも、いちるの望みはあったのです。当時、日本が海外に輸出するエンタテインメントといえばアニメ。〝クールジャパン〟を象徴するコンテンツとして海外でも大変な人気を誇り、フランスではアニメやコスプレファンが集う「ジャパンエキスポ」が毎年開催されていました。

僕は、この「ジャパンエキスポ」になんとかして参加したいと思いました。アニメにはアニソン(アニメソング)があり、ヘヴィメタロックとも意外に親和性があるのだから、クールジャパンでアニメと音楽を結ぶビジネスを展開し、そこにチャンスを見出そうと思い立ち、早速リサーチを始めたのです。

しかし、展示場にブースを買って出展するのに、五百万円かかると言われ、そんなお金はいくら僕が社長でも、会社の経費で行くのは大ひんしゅくを買うと思って、悩みました。ところが、思いは通じるものです。会社の株主さんの紹介で、インディーズのCDに特化した流通会社がジャパンエキスポに参加するので費用を折半してコラボすればどうか、という話が持ち上がったのです。

この機会を逃してはならないと思い、僕は「今日から海外事業部を設立する」と社員の前で宣言しました。しかし、社員は皆シラっとした顔で、誰も乗ってはきません。
そのとたんに僕は、会社ではアウェーな存在になっていくのでした。

なぜ、社員は海外進出に否定的だったのか?

その年は、二〇一一年でした。「海外事業部を設立して、エキスポに行くぞ!」と僕が息巻いたのは、東日本大震災の直後でした。

震災は、僕たちのようなベンチャー企業にも大きな影響を及ぼしました。会社の事業に協賛してくださる企業からの広告出稿や、企画中の事業なども、ことごとく停止や見送りになって、会社の先行きも不安な状況の真っただ中でした。
日本中が、深い悲しみに包まれる中、僕の海外進出計画などというものは、全く空気を読んでない、能天気で、実に腹立たしいものに受け止められたと思います。

でも、僕は、いつも崖っぷちに立たされてきたので、こういうときに、不謹慎を覚悟の上で、閉塞感のある空気を打ち破る行動を起こしたかったのです。この先にきっと、新しいビジネスに繋がる展開があると信じて!

しかし、それは社員には理解が得られず、「社長が独断で勝手なことをやり始めた」という見方でしかなかったようです。

どうすれば、社長の独断を社員が理解してくれるか?

この続きは、  『崖っぷち社長が教える! ピンチを乗り切る「なぜ?」「どうする?」の使い方』 の114~116ページをご覧ください。

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